値上げできない状況での人件費の高騰
毎年上昇する最低賃金の引上げ。
「毎日一生懸命働いてくれるスタッフのことだから
もちろんなんとかしてあげたいけれども
いかんせん、利益が増えないことには
経営的にはキツい…
旅行需要が減少する中、
宿泊料金の値上げも簡単にできない」
というお話をよく耳にします。
売上を上げることが最優先ですが
基本的に送客手数料がついてまわる旅館業では
送客手数料の考察は避けて通れません。
「今日からできる利益率」を上げる方法をご紹介します。
送客手数料の負荷が高い
貴館の宿泊売上の中で
電話や公式サイト、紹介など、
送客手数料無しの予約の割合は
どれぐらいでしょうか?
仮に、ADR(平均室単価)が40,000円、
年間10,000組のお客様をお迎えするとして
そのうち送客手数料なしの割合が20%の場合、
10,000組 x 40,000円 x 20% = 80,000,000円
送客手数料なしの割合が21%になると
10,000組 x 40,000円 x 21% = 84,000,000円
と1%割合が増えるだけでもプラス400万円になります。
旅館業にとって送客手数料の抑制は
永遠の課題です。
公式サイトや電話の予約を増やす
理想は全予約が電話や公式サイトだけで
入ってくることですが、そこまでの道のりは長そうです。
要するに送客手数料を減らせば良いのですが
公式サイトの造りも関わってきます。
多くのお宿の公式サイトの造りは
どちらかと言うと「パンフレット型」なのではないでしょうか?
その場合、貴館の名前をOTAで知った見込み客が
より多くの情報を求め、
貴館名で検索して公式サイトにアクセスしてくる
ことが多いようです。
(Google Analyticsで検索クエリを見てください)
「地域名 旅館」とか「地域名 温泉」など
SEOで自然流入が見込めないのであれば
OTAの見込み客になるべく公式サイトで
予約してもらえるような施策が必要になってきます。
まずはベストレート表示!ただし…
その手っ取り早い施策として、
”公式サイトのベストレート化”を行ってください。
その際、よくあるケースでは
公式サイトを割り引いてしまいますが大きな間違いです。
各OTAの価格を公式サイトより上乗せしてください。
実は宿泊料金の値上げはさほど気にされません。
毎日貴館の宿泊料金を観測している人はいません。
それにレベニューの観点からも
宿泊料金は変動するものという認識は持たれています。
もちろん、お客様は宿泊料金に見合った
期待値をお持ちですので、それ相応のものを
宿は提供する必要がありますが…
加えて、googleトラベルで公式サイトの表示は必須です。
googleトラベルでは、その日に販売されている
各サイトの宿泊プランの価格比較ができますが
そこに公式サイトを表示させることにより
ベストレートのPRにもなります。
また、楽天では頻繁にセールが行われていますが
セール期間であれ、価格比較をする層は一定数います。
その際は同じ期間、同じ割引率で公式サイトでも
セールプランを販売してみてください。
OTAのセール価格より公式サイトが
ベストレートを維持したままになります。
きっと何件かはOTAから流れてくる
予約もあることでしょう(計測不可)
まとめ
「水は高いところから低いところへ流れていく」理論で行くと
同じお宿の全く同じプランであるなら、やはり料金の低いところへ
顧客は流れていきます。
私は実体験で、上記ベストレート施策を行った際、
前年同月比で、とあるOTAは400万円宿泊売上が下がりましたが
公式サイトの宿泊売上が400万円強上がったことがありました。
およそ40万円の送客手数料を抑えられたのが大きかったです。
どのOTAでもいつ何時、送客手数料の改定が起こるか分かりません。
公式サイトの販売割合を少しでも上げるために是非、試してみてください。
お知らせ
「旅館でやるべきweb集客TIPS」は不定期更新です。
詳しい解決策をお知りになりたい希望者様限定でオンライン会議ツールを使って個別にお伝えもしております。
貴館の状況を伺いながら、今までの事例も紹介します。
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